介護ジャーナリスト凛次郎 『ほすぴたりてぃ』

介護難民、介護離職、高齢者虐待、現行介護保険制度の矛盾とあるべき公的介護支援について、「ホスピタリティ」の視点から考えていきます。 

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全国知事会のマニュフェストを読んでみても

2009'07.04 (Sat)

東国原宮崎県知事がしきりに、自民党に、「全国知事会のマニュフェストを自民党のマニュフェストにも盛り込め」と突きつけているので、私もつい気になって、その「全国知事会のマニュフェスト」というものをネットで探して、読んでみました。

その中でも、私が一番関心がある、社会保障についてどう述べられているのかを中心に。

すると、社会保障に関係がある記載は、下記のようなものでした。

○ 医療、福祉等の社会保障や教育、警察、消防など住民生活に必須の行政サービスを安定的に提  供していくため、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方消費税を充実すること。
  ただし、その時期、拡充の幅等については、景気の状況に配意しつつ、税体系の抜本的改革の   中で検討し、実現を図ること。

○ 地方消費税を消費税と合わせて、全額を年金等国の財源として活用する議論は、地方が社会保  障に果たしている重要な役割や、地方消費税が経緯上も地方の固有財源であること、及び消費   税が地方交付税の原資となっていることを顧みないものであり、採用しないこと。

正直言って、何を要求しているのかさっぱり判りません。介護の介の字も出てきません。

但し、知事会のホームページの中には、2008年7月に行った、厚生労働省と全国知事会との第一回定期協議として、介護については、次のような要望を出していました。

2 介護人材の確保について

○介護報酬の改定(平成21年度)
・ 適切な水準の介護報酬の設定
・ 経験や資格の介護報酬への適切な反映
・ 地方公共団体や住民の財政負担が過重にならない配慮
・ 中山間地域・離島等における介護人材の確保
○キャリアアップの仕組み作り
・ 資格制度の創設(介護福祉士資格に技能や経験に応じた等級制を導入す
るなど)
○介護の社会的意義に関する国民へのPR

元々、全国知事会のマニュフェストというのは、国税と地方税の税源配分の論議が中心で、東国原知事と橋下大阪知事との間で交わした、「防衛は自分が、地方分権は橋下さんが」という言うほど、国の政策について、すべてを網羅したものではないのです。

全国知事会の要求の基本は次のような内容です。

1 国税と地方税の税源配分については、国と地方の最終支出の比率に税源の配分を近づけるよう、まずは5:5とすべきである。これは、地方税財源の充実強化により地方分権を進めることを目指すものである。
今回の素案で示された「地方税比率」の引上げという提案では、仮に地方交付税と補助金等を単純に減らせばそれだけで引上げが実現することとなり、これでは、地方分権の実をあげることができない。このような概念を採用することは不適当である。
重要なことは、地方交付税の復元・増額を含め、地方自治体が担う住民に身近な行政サービスに応じた安定的な税財源を保障することであり、必要な一般財源総額の確保を明確にすべきである。

2 地方自治体が実施している事務について、義務付け・枠付けを見直しても、その事務自体は引き続き行わなければならない場合、財源保障の必要範囲に変わりはない。したがって、地方交付税の財源保障機能は、その財源調整機能と同様、引き続き重要である。

3 地方税財政改革は、地方自治体の行政の現場に

このとおり、税の事しか述べられていません。
国民の多くは、これは国税、これは地方税と意識して納税しているものではありません。
また、介護保険制度の主体は市町村だといっても、国民の意識の中では、国がやっていることであり、保険料もまた国民負担という税の内、という意識の方が強いのです。

だから、東国原知事が、声高に、「自民党総裁候補」すなわち「総理大臣候補」と叫ぶほどの政策を持っての話ではなく、まったくのパフォーマンスにしか過ぎないのです。

静岡県知事選挙、東京都議会議員選挙、ひいては次期衆議院選挙目当ての、空虚な戦略でしか過ぎないのです。

前の日記にも書いたように、「地方分権が実現した先には、どんな豊かな高齢者福祉国家が実現しているのか」というビジョンを示さない限りは、大山鳴動して鼠一匹……の騒ぎでしかないと思うのです。

介護崩壊は、待ったなしに進んでいることを、首長ならもっと自覚すべきです。

コメント

■橋下知事と東国原知事が大阪で会談、衆院選へ連携確認―もう国民は老獪な政治家には飽きが来ている、今こそ世代交代が必要か?

■橋下知事と東国原知事が大阪で会談、衆院選へ連携確認―もう国民は老獪な政治家には飽きが来ている、今こそ世代交代が必要か?
こんにちは。この時期にこの会談は、大きな意義があると思います。二人の知事は、まずは、新人類ということで共通点があります。それまでの世代とは、全く異なる価値観を持っています。現在の政治家の大勢より、現代社会の中核を担っている人々以下の年齢の人々の価値観に近いといえます。そういう人たちに、これから、支持される考え方は、私は経済よりも社会を大事にする、社会に優先する考え方だと思います。私は、この二人なら、日本の社会を変えていくきっかけをつかむことができると確信しています。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

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プロフィール

rinjiro

Author:rinjiro
凛次郎(りん・じろう)
1954年山形県生まれ。法政大学経済学部卒。サラリーマン時代に勤務先が介護ビジネスに参入し、訪問介護、福祉用具レンタル、施設での給食サービスなどの実務を経験。独立後はフリーライターとして、NPO活動や高齢者福祉、ホスピタリティ・ビジネス全般の取材や執筆活動、講演などを行う。
著書
「介護崩壊」「団塊楽園の崩壊」(いずれも晋遊舎より)
旅行・ホテル・映画産業・保険業界など、ホスピタリテイビジネスを専門分野とする業界解説本など。

取材・インタビュー
「プレジデント50+」「週刊現代」

テレビ出演
「たかじんのそこまで言って委員会」(よみうりテレビ)
 ゲストコメンテーター

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